31案山子

       案山子なりこの辺に見ぬ洋装は(男声女声)   常朝    (演奏時間 1:41)

  注:2014年8月奈良・山陵町(みささぎちょう)の塩塚古墳の西側の道を歩くと、のんびりとした田園地帯ですが、そこにこの辺りでは見かけない洋装の女性が立っていました。よく見ると案山子(かかし)でした。マネキン人形にしゃれた洋服を着せていました。
    奈良の西山陵町に小さき古墳
    過ぎればのどかな田園地帯
    畑にひとりの洋装女性
    案山子なりこの辺に見ぬ洋装は


     デモ果てて帰りばらばら十日月(男声女声)   常朝    (演奏時間 1:53)

注:2019年9月友人とJR奈良駅から三条通りを「九条改憲No!」のデモ行進に参加しました。デモに参加したのは学生時代以来60年ぶりでしたが、夕方だったので街は外国の観光客ばかりであまり効果的でなかったようです。県庁前で解散しましたが、帰りはばらばらで半月が輝いていました。

    自衛隊アメリカ戦争に巻き込むなと
    集団的自衛権の反対デモす奈良の町
    空見上げれば半月輝く高々と
    デモ果てて帰りばらばら十日月


      風あれば風に輝く芒かな(男声女声)     常朝    (演奏時間 1:44)

注:2019年9月下旬、奈良・生駒市の竹林園を訪ねたとき、100メートルほど東の池の土手に芒が白い穂を出していました。時折風がくると芒がゆれて白い穂がさらに白く輝きました。
    竹林園に近き池にも秋来たり
    岸辺に白き芒の穂
    日当たりてときおり届く秋の風
    風あれば風に輝く芒かな


      夏痩せの男の守る廃寺跡(男声女声)     常朝    (演奏時間 1:56)  

注:2010年8月末、奈良・山添村の毛原廃寺跡を訪ねました。
奈良時代の大寺院に匹敵する大寺の跡で、建物はありませんが
金堂や南門の礎石や庭が民家の敷地に残っています。
近くの家の主人に聞くと、代々この寺跡を守ってきたとのこと。
主人はやせていました。
    山中の村に奈良時代の大寺の礎石跡
    六地蔵ある土手に仙人草や彼岸花
    農家の主に聞けば代々この寺跡を守ってきたと
    夏痩せの男の守る廃寺跡    


       なめらかな父の筆跡終戦忌(男声女声)    常朝    (演奏時間 2:20)  

注:2010年8月終戦日の頃、母の遺品を整理していたら、父の残した厚さ3センチの昭和9年からの覚え帳が出てきました。当時生家は食料品店だったので、山林売買や大きな商品仕入れなどが、父のなめらかな筆跡で筆書きされていました。その頃父が使っていたと思う三角形の鉄の文鎮が唯一の形見として今も本棚にあります。
    終戦日母の遺品に父の覚書がありました
    戦死した父が残したお店の記録です
    すべてが筆書きでなめらかな筆跡でした
    なめらかな父の筆跡終戦忌   


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