13秋の水馬

   ひかりのみ見えしは秋の水馬(女声男声)    常朝        (演奏時間1:54)
 
注:2007年9月1吟行のいつものメンバーで奈良東吉野村・天好園を訪ねました。庭園の奥に小川があり、流れの中にキラキラ光るものが見えました。よく見ると水馬(アメンボウ)でした。

   亀岩は船着場跡冬紅葉(女声男声)          常朝  (演奏時間2:05)

注:2011年12月信貴山を降りて大阪柏原市の雁多尾畑へ行くと、昔大和川の船着場のあった亀の瀬があり、神社下から川を見下ろすと亀の瀬の亀岩が見え、周囲は冬紅葉がきれいでした。ここから上流へは小さな舟に荷物を積み替えたようです。

 浮図田の砂利に遊ぶ子地蔵盆(男声女声)  常朝  (演奏時間2:07)

注:2015年8月奈良・元興寺の地蔵盆に参列しました。4時頃から若い人達が境内の五輪塔や浮図田(ふとでん:ふとは仏陀、仏塔)の多くの石仏に灯明皿を置き、
5時から法要、6時から琴尺八の演奏でしたが、始まる前は子供達が浮図田の砂利で遊んでいました。(原曲:ずいずいずっころばし)

 蝌蚪泳ぐぶつかるまではまっすぐに(男声女声) 常朝 (演奏時間1:54)

注:1996年3月世田谷区の次大夫堀公園を訪ねました。中に小さな川があり、ゆるい流れにおたまじゃくしが沢山泳いでおり、見ているとたいていの子等は相手にぶつかるまでまっすぐ泳いでいました。どのくらい大きくなるとぶつからなくなるのでしょうか。(原曲:一匁の一助さん)

   生きるとは選びゆくこと土筆摘む(男声女声)     常朝 (演奏時間2:00)

注:2009年4月テレビで平成天皇皇后両陛下が皇居内の原で土筆を摘まれていました。天皇が后に「その土筆の方がいいよ」とか言われながら摘まれていました。
考えてみれば土筆摘みどころか、人生すべて選択の連続だったと思いました。
自分の選択が良かったかどうかはわからないが、良かったと思うしかないでしょう。

12烏瓜


 公家谷の水清らかに烏瓜(男声)       常朝  (演奏時間 1:43) 

注:2007年11月京田辺市・普賢寺地区を歩きました。関白近衛基通公が隠居された公家谷があり、その谷のきれいな水の上に、赤い烏瓜が掛かっていました。基通公も見たのでしょうか。

 雲雀鳴き止めば大和は静かなり(男声女声) 常朝        (演奏時間1:43)

注:2003年3月奈良・富雄川・砂茶屋の南を歩いていたら西側の田園の空で雲雀が続け様に鳴いていました。しばらくすると鳴きやみ、あたりが急に静かになり大和盆地全部が静寂に包まれました。

 大仏殿黒々見えて蛍かな(女声男声)     常朝        (演奏時間1:42)

注:2000年6月奈良・東大寺の大仏蛍を見に行きました。大湯屋のそばの小川からは暗い二月堂の灯が見え、右手には大仏殿が黒々と見え、そのうち大きめの大仏蛍がゆうらりと飛んできました。

 ダム囲む山大きくて囀れり(男声女声)     常朝       (演奏時間1:45)

注:2004年5月奈良・川上村の丹生川上神社上社を訪ねました。神社は大滝ダムの南岸の高台にありますが、そこから見えるダムは、周囲が完全に大きな山に囲まれており、どの山からも囀りが聞こえるようでした。


  水掛祭ビルマの美女の水を受く(男声女声)  常朝        (演奏時間1:54)

注:2001年4月退職後、海外協力事業でビルマ(ミャンマー)の統計局コンピュータ・システムの支援で1ヶ月ヤンゴンに滞在したとき、水掛祭に誘われました。市内の道では車の上から若い男性や美女が周囲の我々に水を掛けて回りました。