21師の句碑

    師の句碑に炎天時をとどめたる(男声女声)     常朝     (演奏時間 1:45)

注:2010年7月奈良・学園前の峰の寺「阿弥陀寺」を訪ねました。この寺には運河で指導いただいた山中麦邨先生の句碑「ここが炎天の中心かと思ふ」があります。この日も炎天で、木陰を探しながら境内を歩きました。句碑を見ていると炎天の時間はそのまま止まっているようでした。

    どの堂も清水巡らせ行者寺(男声女声)     常朝     (演奏時間 1:40)

注:2013年7月奈良・天川村洞川の龍泉寺を訪ねましたた。
この寺は大峰山の行者が立ち寄り、身を清める修行の寺ですが、湧き水が境内を潤し、湧き水の水行場があります。本堂や神聖殿、庫裏など、どのお堂の周囲にも溝があり清水が流れていました。(原曲:Orpheus作曲)

    桧皮葺濡るる如くに今日の月(男声女声)     常朝     (演奏時間 1:42)

注:2007年9月奈良・三輪大社の観月会に参加しました。
拝殿を見上げると月の光に照らされて檜皮葺の屋根が美しく濡れているようでした。
まるで月の雫が三輪の森に降ったように。

    鬼取の谷ゆるがして威し銃(男声女声)     常朝     (演奏時間 2:02)

注:2011年9月奈良大阪の国道308号線の県境の暗峠を再び訪ねました。
鬼取茶屋の女将に庭の花の名を聞くと「蝶のよる木」と言われました。そんな名の草はあるのかなと見ていたら近くで威銃が峠の谷を揺るがして鳴りました。(原曲:Orpheus作曲)

    蛇泳ぎ切つたるあとの静けさよ(女声男声)    常朝     (演奏時間 2:00)

注:2011年5月奈良富雄川を大和田町日高大神の行者滝まで歩きました。
途中の山池を突然 蛇が泳いで対岸まで進みました。
泳ぎ着いたあと蛇は消えましたが、山池は前より不気味なほど静かになりました。
(原曲:Orpheus作曲)