7田植待つ 

 堰水の豊かに田植待つ景色(男声女声)    常朝        (演奏時間2:14)

注:2011年5月近くの富雄川を大和田町の行者滝へ向かって歩いていたら、川にいくつかある堰がどれも水が満杯であふれそうでした。
川沿いの田に引く水を貯めているのでしょう。田植えが始まる前の、豊かで美しい景色でした。

   斑鳩の古墳を照らす望の月(男声女声)    常朝        (演奏時間2:30)

注:2016年9月奈良・斑鳩の藤ノ木古墳に月見茶会に行きました。暗くなりすぎないうちに抹茶とお菓子をいただき、月の出を待つと薄雲を抜け出た満月がしっかりと古墳の円い丘を照らし古墳公園の木からは草雲雀が聞こえました。
古墳の主への慰めと祈りのようでした。

   見上ぐれば西の覗きに雲の峰(男声女声)   常朝         (演奏時間1:45)

注:2013年8月奈良・大峰山の修行寺である竜泉寺に参拝した折、大峰山への登山口の女人結界を訪ねました。結界の橋の近くから見上げると、修行の場のひとつ「西の覗き」の崖が見えましたが、そのとき大きな雲の峰が先を白く輝かせ力強く立っていました。

   山桜山のけむりのたゆたひて(女声)     常朝        (演奏時間1:50)

注:2015年4月吉野山の花会式を訪ねる途中、下市町・才谷の山桜の古樹を見ました。
小さな稲荷社のある山桜の花に囲まれて周囲の山をみると、一本の煙が山間から上がって、ゆっくり揺れていました。 

 
   雨脚の光りてゐたる山の滝(男声女声)    常朝         (演奏時間1:03)

注:2002年6月東吉野村の投石の滝を訪ねました。樹齢千年の衣掛け杉がそびえる山中のたきですが、眺めていると、たまたま雨が降ってきました。滝の前に雨粒が光って豪快な滝水と光を競っているようでした。