19シャカシャカ祭


注:2018年6月5日奈良・橿原市上品寺町のシャカシャカ祭を訪ねました。
藁で編んだ7メートルもの大蛇を子供たちが担いで町内を歩き災難が無いよう祈る祭ですが、当家の庭では2、3人の男性が藁で蛇を編み、赤布の舌を付けていました。名の由来を聞くと地元の男性は忘れたというので、インターネットで調べたら薮を動く蛇の音だったようです。

 河鹿鳴く川瀬に光あふれゐて(女声男声)     常朝 (演奏時間 1:43)

注:2017年6月奈良・丹生川上神社中社の水神祭に参列したあと、すぐ近くの夢の淵(わた)を訪ねました。夢の淵には小さな滝と深い淵があり、そばの岩から川面を見ると、日差しに浅瀬がきらめいています。しばらく川瀬を見ていたらリリリリリリ と河鹿が鳴きました。(原曲:orpheus作曲)

 すこやかに老ゆるが仕事菖蒲の湯(男声女声)  常朝 (演奏時間 2:00)

注:2017年5月長い菖蒲の葉が2、3本浮く湯に浸かりました。
浮かぶ菖蒲の根元はほの赤く、香りも浴室いっぱいに広がり、元気をもらいました。この年(77才)にもなると健康に生きるのが仕事、と思いました。(原曲:orpheus作曲)

 早乙女に牛握手してお田植祭(男声女声)     常朝 (演奏時間2:15)

注:2013年6月30日奈良・石上神宮のお田植祭と夏越祭を訪ねました。
この日は石上神宮から神剣の行列が出る神剣渡御祭ののち、末社の神田神社でお田植祭があり神剣を立てた斎庭で、作男と牛が出て田耕をし、早乙女が苗を植える仕草をします。その前に、牛役が被った黒衣から手を出して早乙女と握手をしたのは愉快でした。 

 平らなるものの極みよ植田澄む(男声女声)   常朝 (演奏時間 1:30)

注:2019年6月京田辺市の山田川沿いに木津川の方へ歩いたら、右手に田植の終わった植田が並んでどの田も水がきれいに澄んでいました。水田はまったく水平の緑なので、心が安まります。世の中に、これほど広くで水平なものは、他にあるだろうかと思いました。

18源流

 岩窟は賀茂の源流滴れり(男声女声)         常朝 (演奏時間1:55)

注:2011年6月京都雲ケ畑の惟喬神社から志妙院を訪ねました。寺の奥に岩窟があり、中の岩から雫が落ちています。説明板によるとここは賀茂川の源流のひとつだそうです。周囲の青葉がきれいでした。

 火を消して飛ぶとき疾き蛍かな(男声女声)  常朝 (演奏時間1:45)

注:2011年6月奈良・飛鳥柏の森の男縄の上流、飛び石に蛍狩りに行きました。
暗くなるまで待っていたら河鹿が鳴いて、少し下流の木立から蛍が点滅しながら飛ぶはじめました。よく見ていると火を消している時は速く飛んでいるようでした。

 おももちは子雀の声聞きおはす(男声女声)   常朝 (演奏時間1:54)

注:2005年6月奈良・唐招提寺の開山忌に参列しました。今は鑑真和上像はその身代わり像が安置されて年中公開されますが、この頃は開山忌期間中のみ、実物が公開されました。開山堂でお像を拝すると目をつぶって庭の子雀らの声を聞いておられる面持ちでした。((歌)は歌声つき)

 鮴泳ぐ時くつきりと底に影(男声女声)     常朝  (演奏時間1:40)

注:2001年7月奈良・吉野川の鮎釣りを見た後、東吉野村の中井渓谷自然塾を訪ねました。夏休み中で子供たちが20人位、渓谷の川で遊んでおり、川の澄んだ水を見ていたら、
鮴(ごり)がいました。底から浮いたときその影が本物よりくっきりと黒く見えました。

 夏草や水星沈む多摩の丘(男声女声)       常朝 (演奏時間2:17)

注:1981年6月調布市に住んでいた頃、新聞で普段見えない水星が見えると知り、夕方西の空を見たら多摩の丘陵の上に大きな星が見えました。生まれて初めて見た水星でした。上石原の家の西側の畑の畦には早くも夏草が茂っており、水星はゆっくり沈んでいきました。

 葭切や色落ちつきし朱雀門(男声女声)       常朝 (演奏時間2:25)
 
注:2007年7月平城京跡・朱雀門を訪ねました。1998年復元が完成した頃は、朱の色も明るくいかにも復元したという感じでしたが、9年も経つと色も落ち着いてそれなりに風格が出てきました。それを喜ぶように近くの草原で葭切が元気よく鳴いていました。