20青嵐

 目の中に山が一ぱい青嵐(男声女声)      暮石  (演奏時間 1:40)

注:1992年5月頃右城暮石先生が長年住まれた奈良から故郷の土佐本山町へ4月に帰郷されたあとの御句で、平易な言葉なのに土佐の山々をゆるがすような青葉の嵐が目にみえるようです(第六句集散歩圏)。このようなやさしい言葉でインパクトのある句を作れるようになりたいものです。(原曲orpheus作曲)

 蚊遣にと祖母焚きくれし松小枝(女声男声)   常朝 (演奏時間 1:55)

注:2006年7月蚊取り線香を出す時期となりました。線香を見て、昔子供の頃、夏休みに母の里の梨園の山の家で、祖母が蚊取り線香の代わりに、松の小枝を土間で燻べてくれたのを思い出しました。祖母へ感謝をこめて。

 葛城の后の里の薊かな(女声男声)      常朝  (演奏時間 2:00)

注:2005年5月奈良・御所市葛城高宮跡を訪ねました。ここは仁徳天皇の后・磐之媛の実家葛城氏の居館の跡とされています(極楽寺ヒビキ遺跡)。道路東側の遺跡は調査後埋め戻されていますが、周囲の畑の溝に水が走り、雉が鳴いてそばの小さな藪には夏薊(アザミ)が咲いていました。

 草むらを分けゆく子らの水遊び(女声男声)   常朝  (演奏時間 1:38)

注:1981年6月当時住んでいた調布市の多摩川には大きな中洲ができていて、そこは子供たちの絶好の遊び場でした。中洲の背の高い芦原を分け入って中洲の向こう岸まで行き水遊びをしていました。母親が呼びに行くまで。

 端居して庭草叩く雨を聞く(男声女声)        常朝  (演奏時間 2:05)

注:2010年6月数年前軒下に濡れ縁を自作しました。梅雨の雨が一日中降りそうだったので、外出はあきらめ縁側に坐って庭草をながめ、草を叩く雨の音を聞いていると落ちついてきました。

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