9旅愁

 邯鄲や旅愁は母の好きし歌(男声女声)   常朝        (演奏時間1:41)

注:2007年9月庭で邯鄲(かんたん)のやや低く落ち着いた鳴き声が聞こえました。聞いていると昔を思い出し、母が「ふけゆく秋の夜旅の空の」という歌・旅愁が好きだったことを思い出しました。

   疑似餌投ぐつくつくほうしに包まれて(男声女声) 常朝    (演奏時間1:53)

注:1987年8月奈良・飛鳥カントリークラブの奥の池でブラックバス釣りをしました。魚の好みそうな疑似餌を選び、竿を振って投げるのですが、池の周囲は法師蝉の声で包まれていました。2000年頃からは生駒市の遊園として整備され、釣りは禁止となりました。

 結核棟跡に背高き姫女苑(男声女声)      常朝         (演奏時間1:42) 

注:1995年6月清瀬の国立東京病院の結核病院跡を訪ねました。ここは俳人石田波郷がなくなる昭和44年まで入退院を繰り返した所ですが、訪ねた頃は空き地が残っており、背の高い姫女苑が沢山咲いていました。波郷もおそらく見たでしょう。 

 堰下に水鶏来てゐる秋日和(男声女声)    常朝        (演奏時間1:50)

注:2010年10月近くの富雄川を歩いたら富雄中学校前の堰下に水鶏(くいな)が1羽いました。水鶏を見たのは初めてで驚きました。川面には秋の日差しがあって良い風景でした。

 彼岸花いきなり降りし天の花(女声男声)         常朝        (演奏時間1:27)

注:2015年9月京都・精華町の山田川を歩いていたら田の畦のあちこちに彼岸花が咲いていました。よく通る道で先日までは何もなかったので、まるで天から花が降ってきたようでした。

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