1虫時雨

 月の出の遅しと虫の時雨けり(男声)      大牙        (演奏時間1:15)

注:1970年頃銀行役員をしていた義父が生前地元の阿波野青畝氏らの指導を受けつつ作句した中の一句です。

 いつからの一匹なるや水馬(男声女声)       暮石        (演奏時間2:11)

注:1977年(昭和52年)頃からご指導いただいた右城暮石先生の句です。亡くなられた奥様をしのんでの御句かもしれませんが心に残る句です。
 
 木枯の果てはありけり海の音(男声混声)      言水        (演奏時間1:20)

注:1979年頃、大岡信の「折々のうた」(朝日新聞)にあったこの句に感銘を受けて
俳句をまじめに考えるようになりました。木枯しは太平洋を越えてカリブ海まで行ったのかも。

 夏逝くや父の手旗を見せられて(男声女声)   常朝        (演奏時間1:40)

注:1980年頃、母が存命中の夏の終り、タンスの引出しから父が輸送船に乗っていた時使っていたという手旗(海軍の手旗信号用)を出して見せてくれました。5才の時戦死した父に生前カメラを見せてもらったことなどを思い出しました。 

 船腹に川波映す二月の陽(男声女声)         常朝        (演奏時間2:00)

注:1994年2月当時住んでいた世田谷の多摩川を歩くと古い舟が放置されていて、川波の光が水陽炎のように舟腹に映って揺れていました。

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