22水馬の影

  水馬機械の如き影落す(男声女声)      常朝     (演奏時間 1:43)  

注:1991年5月当時住んでいた東京・世田谷玉堤から多摩川園へ時々歩きましたが、
そこの亀甲山古墳のそばに小さな池があります。アメンボウ(水馬)が泳いでいて底のコンクリートに精巧な機械のような影を落としていました。今でいえば水中のドローンのようでした。

  かなかなの声波のごと寄せて引く(女声男声) 常朝     (演奏時間 1:40)

注:2015年8月奈良生駒市の富雄川から北田原の山中の池まで歩きました。
池を見ていたら、ひぐらしが「きちきちきち」と鳴き始めました。
聞いていたら鳴き声は強くなったあと、弱くなったりまた強くなったりと波のようでした。

  かきまぜる前からこぼしはったい粉(女声男声) 常朝     (演奏時間 1:35)

注:2011年6月久しぶりに[はったい粉]を食べました。
昔のように砂糖を入れて水でかき回しますが、カップに入れるときから粉をこぼしました。子供の頃よく粉をこぼした事を思い出しました。

  空蝉や鬼取村といふならし(男声女声)    常朝     (演奏時間 1:25)

注:1992年8月奈良と大阪の県境・暗峠を訪ねました。石畳の峠道のはずれには湧き水があり、雨蛙がいてそばに空蝉が落ちていました。このあたりは昔鬼取村といい、役行者が生駒山の鬼を捕らえ、髪を切って弟子としたので、髪切山ともいう慈光寺があります。訪ねましたが誰もいませんでした。

  梅花藻の花揺れ続けぶつからず(女声男声)  常朝     (演奏時間 1:58)

注:2011年8月滋賀の醒ケ井を訪ねたました。ここは湧水の地蔵川に梅花藻が美しい所で、我々が訪ねた時はちょうど良い花の時期でした。水中の花がやたら多いので風や波でぶつかりそうですが、意外にぶつからず美しい景色を見せてくれました。

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